「……蓮っ…!!」
「待って」
思わず飛び込もうとしたけど、横にいた絢斗さんに手首を掴まれた。
「っ、何で止めるんですか!!私の任務は護衛──」
でも、もう一度蓮の方を見たその瞬間。
蓮の表情から、迷いが消えていた。
光を失ったみたいな、鋭い瞳。
獲物だけを捉える目。
神楽組の人達も、誰も割っては入らない。
……いや、入れなかった。
神楽組の若頭。
蓮が組のみんなに慕われているのは、ただ現当主の創さんの息子だからだけじゃない。
この人が前に立つと、
誰もが“従うべき背中”だと理解してしまうからだ。
……圧倒的な強さと、覚悟。
私は多分
本当の蓮のこと、今日まで全然知らなかった。
完全に神楽組若頭としてのスイッチが入った蓮は容易く目の前の銃を蹴り飛ばした。
そのまま、素手で殴る。
一発。
二発。
「お前せいで、俺の仲間が何人傷ついたと思ってんだよ」
もう、相手の意識も朦朧としている。

