「ひぁ…」
首筋に、指が触れた。
肩を滑るみたいに、ほんの一瞬。
「ちょ、くすぐったい、何!」
び、びっくりした……
なんか変な声出たし………!!いきなり何…!?
「あのさ」
いきなり耳元で低い声がして、びくっと肩が跳ねる。
「……おまえ、警戒心なさすぎ」
そう言って、蓮は手を離してそっぽを向く。
まだ心臓がバクバクしていて、私も蓮の方を見れなかった。
窓の外に視線をやれば、気づけば車は夜の街へ入っていて、
ネオンが増え、人の気配が濃くなってくる。
…繁華街の入口。
近くの路地に車を止まった。
「ん。」
先に降りた蓮が、自然に手を差し出してくる。
「あ、ありがと」
…だめだ、スーツも相まってさらにカッコよく見えてしまう。
「足の怪我はもう平気なの?」
「うん。私、体は強いから」
昔から怪我の治りは早い方だ。
多少の痛みはあるけど、いつも通り動けると思う。
「蓮、組の奴らはもう店の近くに到着してる。気を引き締めていくぞ」
絢斗さんを先頭に、私たち3人は繁華街入り口の大きな門を潜った。

