そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~




「……え?」


突然そんなものを渡されて、思わず固まった。

偶々、梓さんが着ていたドレスを車内に置きっぱなしだったんだとか。


「今から行くの繁華街だから。制服は目立つ」


え、ええ…

でもこれ、ちょっと露出が…!!

絶対18歳が着るものじゃないよ!


「は?絶対ダメ」


私が戸惑っていると、蓮が即座に口を挟んだ。


「そんな格好させる気?」

「仕方ないだろ、これしかないんだから」

「じゃあ連れてくのやめろ。まずこんな服動きにくいだろ」

「こういう時こそ護衛は必要だと思うけど」


ぴりっとした空気。

絢斗さんは苦笑しながら肩をすくめた。


「あ、えっと…まあ、ドレスでも動き慣れてるし平気だよ!」


過去の任務でも、潜入捜査でスカートやドレスで動き回ることはよくあった。

絢斗さんの言うとおり、繁華街で制服の方が目立つだろう。


露出は気になるけど…!



蓮は一度目を伏せてから、私を見る。


「……はぁ、そういう問題じゃねーんだけど。」


それだけ言って、顔を背けた。


向こうを向いたまま、しばしの沈黙。