そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~




「相変わらず仲良しだな〜お前ら」


誰かが茶化した声を飛ばすと、蓮はニコニコしながら当然のように答える。


「うん。仲良し」


さらっと。

…まるで、“俺のだ”って、断言するみたいに。



……ムカつく。



俺の方が、ずっと前から──。



「……三角関係?」

「っ…!」



不意に耳元で言われ、心臓が跳ねた。


反射的に隣を見る。


クラスメイトの女子──岬音葉さん。

そういえば、さっき彩葉と一緒に部屋に戻ってきてたな。



「え…当たり?」



当たり、って。


……というか。

俺を見て言ったよね?

今の。


「…さっきちょっと色々あって、彩葉から事情、聞いたんだよね。」

「は…?」


いや、色々って何だよ。

え?じゃあ彩葉が女の子って事も、護衛のことも話したってこと?


「あ、バラしたりはしないから!」


慌てたように手を振られる。

……いやそういう問題じゃなくて。


…それ以前に。

三角関係、なんて言葉が出てくるくらい、
俺の気持ちって、そんなに分かりやすかったのか。

自覚した瞬間、急に居心地が悪くなる。


視線を逸らすふりをしながら、

それでも無意識に、ちら、とまた彩葉の方を見てしまった。