そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~




「……蓮くんは、知ってるの?」


その問いに、心臓が一瞬跳ねる。


蓮、ごめん……!


このまま誤魔化すのも無理があるので、心の中で謝りながら私は簡単に説明した。


蓮のそばにいる理由。

最初は蓮の前でも男装していたこと。

バレてしまった今もそれを続けていること。

蓮の他に、律もこの事情を知ってること。


私の素性の話や神楽組のことは伏せて、「事情があって蓮は狙われてるから護衛が必要で、私はその役目」と、少しぼかして。


「……そっか」


岬さんは、ゆっくり噛みしめるみたいに頷いた。


「なんか……思ってたより、ずっと複雑なんだね」

「……騙してたこと怒ってるよね」


そう聞くと、岬さんは少しだけ目を見開いてから首を振る。


「びっくりはしたけど……怒ってないよ」


そして、はっきりと言った。


「性別なんて、関係ないと思う」

「……え?」


意味がうまく飲み込めなくて、思わず聞き返す。