王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

「せんぱーい!置いていかないでくださいよー!」


「仕方ないなー、マイハニー❤」


「きゃっ❤」





 運動場から聞こえてきた、いかにもバカップルっぽい会話。


 これ、高村さんだよね。


 高村さんさっき、神子戸ちゃんに資料の山を押し付けて走り去って行ったよね。


 チラリと神子戸ちゃんの方を見ると、呆然として手を宙に彷徨わせている。


 これは、どんまい。





「神子戸さん、信じたい気持ちも分かるけど――」


「分かってるよ!……でも、せっかく、私に頼んでくれたから……」





 またまた遮られたよ。せめて、最後まで聞いてほしいね。