王子様、私はヒロインじゃありませんよ!?

 氷雨の可愛さに他の奴らが気づいたら困る……。


 あの顔を見たら、老若男女問わず虜になるだろうから。


 というか、素の氷雨と一緒にいて惚れるなという方が無理だ。


 
「はあああああ……」



 どうにか、もっと自分の可愛さを自覚してくれないか、とため息をつく。


 そうしたら、隣を歩いていた(俺の下校を待っていた)神子戸の肩が大きく跳ねた。


 
「だ、大丈夫……? 青峰君……」


「ああ、うん。 ごめん。 気にしないで」


「そ、そう……?」



 そういえば、氷雨は俺と神子戸の関係、なんだか勘違いしてたよな……。


 確かに、最近一緒にいることが多いけど……。


 ……神子戸との関係は、たとえ氷雨であっても教えられないな。


 そこで、またあの氷雨の可愛らしい照れ顔が蘇り、俺は再び、ため息をついた。