根拠ならある。
祥を混乱させてしまうだろうからあえて伏せてはいるが、それはじんわりと肌に感じている気持ちの悪い根拠。
このゲーム自体、どこかおかしいのだ。
ねっとりとした得体の知れない視線が頭上から注がれているような。
機械的ではなく、生々しい温度を感じるような。
俺がよく知っている
想い人への執着にも近い感情が蠢いている気がするのだ。
そして、その感情の矛先は確実に、俺の腕の中にいる祥へと向けられている。
きっと祥のことをゲームオーバーにはさせないだろう。
瀕死の状態になれば無理やりにでも心臓を動かしてゲームに参加させるだろう。
憶測にしてはあまりにも明瞭な確信があった。
俺も、若松も、日下部くんも
祥を愛してしまったすべての人間が抱くような歪さが、ゲームの中心に鎮座している。
同じ歪みを持った者にしか分からない闇が渦を巻いている。



