(王子様side)
祥の手を引きながら階段をのぼりきる。
3階まで上がり、壁の隅に身をひそめた。
そのとき、鬼が放出されたという放送が流れる。
そばにいる祥がびくりと震えた。
「祥、怖がらなくていいよ。お兄ちゃんが絶対に守るからね」
「うん…」
不安そうに眉を下げるその頬に、軽いキスを落とす。
世界でいちばん美しい、俺だけのお姫様。
なにも心配することなんてないのに、それでも憂う姿に庇護欲が湧く。
階段下でバタバタと足音が響きはじめてきたので、これ以上祥を怯えさせないようすぐ近くの第一理科室へ入った。
「祥、こっち」
なるべく奥の長机の下にもぐりこむ。
祥のすべてを隠すように華奢な体を包みこんだ。



