◇Crown Act◇⇩




早くしないと時間が過ぎるばかりだ。


どうしてピエロが橋本さんのことを知っているのか、ずっと気になっていた。


返答によっては、見つけ次第ピエロを始末しなくてはいけない。


だめだよ、橋本さんに危害を加えるなんて。


橋本さんのことでなければ見逃してあげるから、僕の大好きな橋本さんに近づかないでよ。


あのこがいないと僕は生きていけないのに。


あのこは、僕のすべてなんだ。


『───…』


なんにも喋らないまま、ピエロは息絶えてしまった。


ピクリともしない亡骸を放って、腕を折られたもう一体のピエロのそばにしゃがむ。


衣装を突き破って骨が丸見えていた。


複雑骨折だ。


「あ、あの、すこしいいかな…?」


『話しかけるな!イカレ野郎!どっかいけ!ボクの兄を殺しやがって!』


「えっ!お兄さんだったんだ…ご、ごめんねっ…」



先ほど死んだ泡を吹いて横たわるピエロを横目で見る。


双子の今生の別れを目の当たりにして胸が痛んだ。


来世でも兄弟になれますように。


そう祈ってからふたたび残された方のピエロに視線を移す。