早くしないと時間が過ぎるばかりだ。
どうしてピエロが橋本さんのことを知っているのか、ずっと気になっていた。
返答によっては、見つけ次第ピエロを始末しなくてはいけない。
だめだよ、橋本さんに危害を加えるなんて。
橋本さんのことでなければ見逃してあげるから、僕の大好きな橋本さんに近づかないでよ。
あのこがいないと僕は生きていけないのに。
あのこは、僕のすべてなんだ。
『───…』
なんにも喋らないまま、ピエロは息絶えてしまった。
ピクリともしない亡骸を放って、腕を折られたもう一体のピエロのそばにしゃがむ。
衣装を突き破って骨が丸見えていた。
複雑骨折だ。
「あ、あの、すこしいいかな…?」
『話しかけるな!イカレ野郎!どっかいけ!ボクの兄を殺しやがって!』
「えっ!お兄さんだったんだ…ご、ごめんねっ…」
先ほど死んだ泡を吹いて横たわるピエロを横目で見る。
双子の今生の別れを目の当たりにして胸が痛んだ。
来世でも兄弟になれますように。
そう祈ってからふたたび残された方のピエロに視線を移す。



