◇Crown Act◇⇩




あれはもしかしてアイテムカードの一つか?


僕はまだ♥のカードの能力しか知らない。


…いや、橋本さんが奇襲を受けた際、イースさんも同じ剣を出現させていた。


彼が持っていたのはたしか♠のカード。


僕のグループで所持しているのは若松先輩だったはず。


なんだ、あの剣を持てるのは僕じゃないのか。


じゃあ一体、僕のカードの能力は…


刹那、顔の左側面に風が吹く。


とっさに背ければ、剣先が視界の端に映った。


左の耳が熱を持つ。


ぼとりと音を立てて落ちたそれは、耳。


あぁ、耳を削ぎ落とされたのかと認識した僕は、すぐうしろにあった鉄砲を握り締めてピエロのこめかみに銃底の重たい部分を叩きつけた。


まんまるい眼球が白目を剥く。


ぐらり傾くピエロの喉笛を掴んで問いかける。


「ね、ねぇ…橋本祥っていう女の子を知ってる?」


『ガッ、グッ…』


「よ、よければ教えてくれないかな?僕の好きな女の子、ず、ずいぶんと知名度が高いみたいだからさ…」


一向に答えようとしてくれないピエロに焦りが滲む。