無意識に後ずさった僕の肩が、カチリとなにかを押した。
───パパパーン!!!
「えっ?!」
背後でいきなりクラッカーが鳴り、床から大きなケーキが出てきた。
──ハッピバースデートゥーユー♪
──ハッピバースデートゥーユー♪
どこからかバースデーソングが流れてきたとおもえば照明が点灯。
紙吹雪が舞い、拍手喝采の音源。
一気に場違いなパーティーが始まってしまった。
「え?!なに?!僕誕生日じゃないよ?!」
機械仕掛けのからくりピエロがロッカーから飛び出してきて、花の冠と『誕生日おめでとう!』と大仰に書かれたタスキを運んでくる。
丁寧に飾り付けられた僕はいよいよパニックになった。
これって、ピエロが言ってた仕掛け?!
こんなはた迷惑なものまであるの?!
どう考えても騒がしい空間に、廊下にいたピエロたちが教室の扉を開いた。
そりゃそうだ。
まるで双子のようなイエローを基調としたピエロ2体と目が合う。
感情が追いつかなくて、どうもと会釈をした。
花の冠を頭に乗せ、めでたいタスキを掛けたピエロを目にして、2体の鬼はなにを思うか。
流れ続ける音楽を背に、僕は逃げた。



