◇Crown Act◇⇩




無意識に後ずさった僕の肩が、カチリとなにかを押した。



───パパパーン!!!



「えっ?!」


背後でいきなりクラッカーが鳴り、床から大きなケーキが出てきた。



──ハッピバースデートゥーユー♪

──ハッピバースデートゥーユー♪



どこからかバースデーソングが流れてきたとおもえば照明が点灯。


紙吹雪が舞い、拍手喝采の音源。


一気に場違いなパーティーが始まってしまった。


「え?!なに?!僕誕生日じゃないよ?!」


機械仕掛けのからくりピエロがロッカーから飛び出してきて、花の冠と『誕生日おめでとう!』と大仰に書かれたタスキを運んでくる。


丁寧に飾り付けられた僕はいよいよパニックになった。


これって、ピエロが言ってた仕掛け?!


こんなはた迷惑なものまであるの?!


どう考えても騒がしい空間に、廊下にいたピエロたちが教室の扉を開いた。


そりゃそうだ。


まるで双子のようなイエローを基調としたピエロ2体と目が合う。


感情が追いつかなくて、どうもと会釈をした。


花の冠を頭に乗せ、めでたいタスキを掛けたピエロを目にして、2体の鬼はなにを思うか。


流れ続ける音楽を背に、僕は逃げた。