「やめっ、やめて!ガハッ…」
ぐちゃり
そんな生々しい音と共に崩れた膝が濡れるのを感じる。
赤黒い液体が、扉の下の僅かな隙間から室内に流れ込んできていた。
これ、血──?
今度は違う意味で呼吸が止まる。
1メートルもない、すぐ近くで、人が殺された。
ピエロに…鬼に捕まってしまったのだ。
「……むり」
むり、むり、むりむり
こんなの、どうしろっていうんだ。
胃の細動を感じて口もとを押さえる。
震えているあいだに、一人、また一人と断末魔をあげては僕のそばで死んでいった。
『人間て、弱いナ』
『ソウダネ、弱いネ』
声の高さが違う、トーンのまったく同じな声が聞こえた。
おそらく生徒たちを殺した張本人だろう。
とにかく息を潜める。
早く、どこかへいってくれ。



