◇Crown Act◇⇩




「やめっ、やめて!ガハッ…」




ぐちゃり


そんな生々しい音と共に崩れた膝が濡れるのを感じる。


赤黒い液体が、扉の下の僅かな隙間から室内に流れ込んできていた。


これ、血──?


今度は違う意味で呼吸が止まる。


1メートルもない、すぐ近くで、人が殺された。


ピエロに…鬼に捕まってしまったのだ。


「……むり」


むり、むり、むりむり


こんなの、どうしろっていうんだ。


胃の細動を感じて口もとを押さえる。


震えているあいだに、一人、また一人と断末魔をあげては僕のそばで死んでいった。




『人間て、弱いナ』

『ソウダネ、弱いネ』




声の高さが違う、トーンのまったく同じな声が聞こえた。


おそらく生徒たちを殺した張本人だろう。


とにかく息を潜める。


早く、どこかへいってくれ。