「ジョーカーくん」
「……」
「キミなら、ダイジョウブ」
背後の扉が勢いよく開かれた。
『良い子ひとり、ミーツケタ!!!』
複数の、笑い声。
俺の大切なピエロの命を脅かし続ける
生きることを許してはいけない
ゴミ屑共
「死ね」
カラフルな体をまとめて一閃した。
破裂した絵の具のように、赤い液体が飛び散る。
鉄の匂いに包まれながら
脳裏に浮かんだのは、あいつの姿だった。
怯えた顔、泣き顔、無理して笑う顔
俺のピエロから本物の笑顔を奪った全ての事象に、抑え込んでいたものが牙を剥いた。
ああ…そうか。
自分も大概ピエロだ。
俺はずっと、苛立っていたんだ。
くだらないゲームにも、橋本にも、日下部にも
ピエロにも。
「助かった。イース」
夕暮れ色に染まる空の下で、生まれ変わったような心地に溺れた。
「もう、容赦しない」
俺は、ただの男子高校生じゃない。
狡猾で、傲慢な、ヴィランだ。
祥は俺だけのものだ。



