◇Crown Act◇⇩




ついに始まった。


緊張感が段違いに上がり、ただ祥の無事だけを祈る。


絶対捕まるなよ…。


「ねぇねぇ!ジョーカーくんたらー!ボクの話聞いてるー?」


「うるっせぇな、ピエロにバレるだろうが、騒ぐんじゃねぇ」


地団駄を踏みだすイースを押さえつける。


それでも喚くのをやめないせいで、扉の外を走っているであろう数人のピエロたちが、俺のいる体育館倉庫の前で足を止めた。


くそ、ふざけんな。


「ボクの質問に答えてくれなきゃ黙らないいいい」


「分かったから静かにしろ!スペード!♠だよ!」


やむを得ず答えれば、イースの表情がニヤリと変わる。


伸びてきた手が、カードをしまっておいた俺のズボンのポケットを勝手にまさぐると、取り出した♠のトランプカードを掲げた。


───パチン!


高らかに指を鳴らされると


冷たい床に、重量感のある落下音が響いた。


おもわず目を見張る。


それは、空想の世界でしか出てこないような剣だった。


「なんだ…これ」


「聖剣。♠カードの能力サ」


両手を広げ、得意気に笑うピエロにごくりと唾を飲む。


汗の滲んだ手で剣を握る。


重たいそれに、どれほど簡単に生ける物の命を奪えるのか、可能性と恐ろしさが凝縮されていた。


こんなもの、たかが男子高校生が使ってもいいのか。


……いや