ついに始まった。
緊張感が段違いに上がり、ただ祥の無事だけを祈る。
絶対捕まるなよ…。
「ねぇねぇ!ジョーカーくんたらー!ボクの話聞いてるー?」
「うるっせぇな、ピエロにバレるだろうが、騒ぐんじゃねぇ」
地団駄を踏みだすイースを押さえつける。
それでも喚くのをやめないせいで、扉の外を走っているであろう数人のピエロたちが、俺のいる体育館倉庫の前で足を止めた。
くそ、ふざけんな。
「ボクの質問に答えてくれなきゃ黙らないいいい」
「分かったから静かにしろ!スペード!♠だよ!」
やむを得ず答えれば、イースの表情がニヤリと変わる。
伸びてきた手が、カードをしまっておいた俺のズボンのポケットを勝手にまさぐると、取り出した♠のトランプカードを掲げた。
───パチン!
高らかに指を鳴らされると
冷たい床に、重量感のある落下音が響いた。
おもわず目を見張る。
それは、空想の世界でしか出てこないような剣だった。
「なんだ…これ」
「聖剣。♠カードの能力サ」
両手を広げ、得意気に笑うピエロにごくりと唾を飲む。
汗の滲んだ手で剣を握る。
重たいそれに、どれほど簡単に生ける物の命を奪えるのか、可能性と恐ろしさが凝縮されていた。
こんなもの、たかが男子高校生が使ってもいいのか。
……いや



