When it's about forgiveness and love, it's never too late, nor too early.
「それでね、聞いてよあかねちゃん。彼ったらこれが初めての結婚じゃないのよ。わたしプロポーズされるまで知らなかったんだから」
眩しいほど白いウェディング・ドレスをまとった佳苗かなえが試着室から出てくると、あかねはその豪華さに目を奪われて、なにを告白されたのかすぐには気付かなかった。
シルク地に縫われた透明のビーズが、試着室の控えの大袈裟な照明に照らされて光っている。大胆に胸元の開けたドレスで、スタイル抜群の佳苗によく似合っていた。
あかねは座ったまま首を傾げた。
「え? マ、マシューさん?」
「他に誰が居るのよ。もぅ、あかねちゃん! わたしは今、ここで、彼のためのウェディング・ドレスを選んでるんでしょうが」
「そうだけど、ちょっとビックリしちゃって」
あかねはいじっていた携帯電話を閉じ、控え室の柔らかいソファから立ち上がって佳苗に近づいた。
ここは、ロンドンの西辺りにあるウェディング・ドレスを用意したブティックで、あかねは数ヶ月前から親しくしている友人、佳苗の試着に付き合っているのだ。


