ケネスがあかねに視線を戻した。
その瞳に据えられると、胸が熱くなって、あかねの口から言葉が勝手にこぼれ出す。
「最初の頃の貴方を期待しちゃいけないって、それは分かっています。でも、なにも言われないし、分からなくなって……わたしは」
「なにを──」
「わたしは……貴方のなんですか? 愛してるって、もう言ってくれないの……?」
もし、後からこの場面をプレイバックで見ることが出来たら、きっと顔から火を噴いてしまうだろう。そのくらいあかねにとっては思い切った台詞だったけれど、その時はなぜかスラスラと口にしてしまった。
ケネスは逆に、狐につままれたような顔をした。
「『愛してる』?」
「そ、そうですっ! 日本にいた時は沢山言ってくれたのに! もちろんあんなに沢山期待してないけど、一度くらい……っ」
「アカネ、ちょっと待ってくれ」
「やっ」
一歩歩み寄ってきたケネスに、あかねは肩を震わせた。
「なにか誤解してるんだろう、それは──」
「言わないで下さい……わたし、もう日本に帰りますっ」
いきなり最後通牒を突きつけてきたあかねに、ケネスは眉を寄せて声を上げた。
「なんでそうなるんだ……それを言ったらアカネはどうなんだ? 俺にそれを言った事があったか? 俺だって待ってるんだ!」
「それは……! って、……え?」


