ふたりのやり取りを聞いていた志桜は、雄大に軽く頭をさげる。
「すみません。無駄話で引き止めてしまって」
「いえいえ。というか、僕が神室さんを独占してるからきっとヤキモチ焼いてるんですよ」
雄大はおどけたように肩をすくめ、志桜にだけ聞こえるようコソッとささやく。それから
楓のもとに足を速めた。
彼らを見送ったあとで、志桜は愛奈に顔を向ける。
「愛奈、広報の資料ありがとね。わかりやすくて助かったわ」
「あぁ、もともとあった資料を手直ししただけだから」
いつもと比べると声のトーンが格段に低い。彼女には珍しく機嫌がよくないようだ。
なにかあったの? 志桜がそう尋ねるより前に、愛奈が口を開いた。
「ねぇ、志桜。この前のパーティーのあとも楓さんとデートしているの?」
鋭い口調もやはり愛奈らしくない気がする。
「え? ううん、一度もしてないけど」
仕事の件では連絡を取っていたし顔も合わせていたが、プライベートにかぎればなにもない。もともとデートはおろか電話やメールもしない関係だったから、とくに気にも留めなかったが。
「そうなんだぁ」
ややおおげさなほどに、愛奈は眉尻をさげた心配そうな顔をしてみせる。
「あのね、これは志桜のためを思って言うんだけど」
「う、うん」
「すみません。無駄話で引き止めてしまって」
「いえいえ。というか、僕が神室さんを独占してるからきっとヤキモチ焼いてるんですよ」
雄大はおどけたように肩をすくめ、志桜にだけ聞こえるようコソッとささやく。それから
楓のもとに足を速めた。
彼らを見送ったあとで、志桜は愛奈に顔を向ける。
「愛奈、広報の資料ありがとね。わかりやすくて助かったわ」
「あぁ、もともとあった資料を手直ししただけだから」
いつもと比べると声のトーンが格段に低い。彼女には珍しく機嫌がよくないようだ。
なにかあったの? 志桜がそう尋ねるより前に、愛奈が口を開いた。
「ねぇ、志桜。この前のパーティーのあとも楓さんとデートしているの?」
鋭い口調もやはり愛奈らしくない気がする。
「え? ううん、一度もしてないけど」
仕事の件では連絡を取っていたし顔も合わせていたが、プライベートにかぎればなにもない。もともとデートはおろか電話やメールもしない関係だったから、とくに気にも留めなかったが。
「そうなんだぁ」
ややおおげさなほどに、愛奈は眉尻をさげた心配そうな顔をしてみせる。
「あのね、これは志桜のためを思って言うんだけど」
「う、うん」



