今の騒動を見ていた人々の注目の的になっているから。楓が訂正してくれたおかげで、志桜を悪女と決めつけるような眼差しではなくなっていたけれど。
彼の横顔をそっと盗み見る。もういつもどおりのクールな表情に戻っている。
(かばってくれたのよね)
日頃の愛想のなさのせいか、きつく見える悪役顔のせいか、こういう事態は志桜にとってよくあることで……正直、諦めモードだった。否定したところで一度盛りあがった噂は消えないし、それなら声をあげる意味などない。そんなふうに思ってさえいた。
だけど、彼は声をあげてくれた。志桜がわざとやったことではないと言ってくれた。
志桜の頬が無意識のうちにかすかに緩む。
「あの」
志桜はおずおずと彼に声をかけた。
「色々、すみませんでした」
「なぜ君が謝る?」
本当に疑問に思っているのだろう。彼は怪訝な表情で眉をひそめた。
「楓さんにまで恥をかかせてしまったので……」
連れてきたパートナーが騒ぎを起こしたとなれば、彼の評判にも影響するはず。
楓からの応答はない。
そのとおりだと思っているのか、あるいは志桜の感情になど興味がないだけなのか。
彼の横顔をそっと盗み見る。もういつもどおりのクールな表情に戻っている。
(かばってくれたのよね)
日頃の愛想のなさのせいか、きつく見える悪役顔のせいか、こういう事態は志桜にとってよくあることで……正直、諦めモードだった。否定したところで一度盛りあがった噂は消えないし、それなら声をあげる意味などない。そんなふうに思ってさえいた。
だけど、彼は声をあげてくれた。志桜がわざとやったことではないと言ってくれた。
志桜の頬が無意識のうちにかすかに緩む。
「あの」
志桜はおずおずと彼に声をかけた。
「色々、すみませんでした」
「なぜ君が謝る?」
本当に疑問に思っているのだろう。彼は怪訝な表情で眉をひそめた。
「楓さんにまで恥をかかせてしまったので……」
連れてきたパートナーが騒ぎを起こしたとなれば、彼の評判にも影響するはず。
楓からの応答はない。
そのとおりだと思っているのか、あるいは志桜の感情になど興味がないだけなのか。



