言葉どおり、彼が手にしているトレーにはグラスが三つのせられていた。志桜のグラスのシャンパンはあとひと口程度しか残っていなかったので、気をきかせてくれたのだろう。
彼が志桜のグラスを新しいものと交換してくれる。
「すみません。ありが――」
「わ~ありがとうございます! 私、ワインは赤派だから嬉しいな」
女性にしては低めの志桜の声を、愛奈のソプラノがかき消す。
「……それはよかった。どうぞ」
楓は優美な笑みを浮かべ、愛奈にもグラスを渡す。なんてことのない動作も楓がするとスマートでとても絵になる。愛奈だけではなく、彼女の友人ふたりも食い入るようにして彼の一挙手一投足を見つめていた。
その熱い視線を感じ取ったのだろう。楓がふたりに目を向ける。
「楓さん、ご紹介しますね。こちらは私と志桜の学生時代の友人です」
ハルカとユリを愛奈が彼に紹介する。そして今度は楓をふたりに。
「鷹井楓さん。志桜の……」
「恋人です」
愛奈の言葉を引き取って、楓は短く告げた。『恋人』の二文字とはほど遠い無表情ぶりだったけれど、それでもその響きのインパクトは絶大だったよう。ハルカとユリは目をパチパチと何度も瞬いているし、愛奈の瞳も大きく見開かれ固まった。
「え、恋人って……神室さんの?」
彼が志桜のグラスを新しいものと交換してくれる。
「すみません。ありが――」
「わ~ありがとうございます! 私、ワインは赤派だから嬉しいな」
女性にしては低めの志桜の声を、愛奈のソプラノがかき消す。
「……それはよかった。どうぞ」
楓は優美な笑みを浮かべ、愛奈にもグラスを渡す。なんてことのない動作も楓がするとスマートでとても絵になる。愛奈だけではなく、彼女の友人ふたりも食い入るようにして彼の一挙手一投足を見つめていた。
その熱い視線を感じ取ったのだろう。楓がふたりに目を向ける。
「楓さん、ご紹介しますね。こちらは私と志桜の学生時代の友人です」
ハルカとユリを愛奈が彼に紹介する。そして今度は楓をふたりに。
「鷹井楓さん。志桜の……」
「恋人です」
愛奈の言葉を引き取って、楓は短く告げた。『恋人』の二文字とはほど遠い無表情ぶりだったけれど、それでもその響きのインパクトは絶大だったよう。ハルカとユリは目をパチパチと何度も瞬いているし、愛奈の瞳も大きく見開かれ固まった。
「え、恋人って……神室さんの?」



