財界関係者なら楓が神室の娘と婚約している件は周知の事実かもしれないが、今日は大勢来ているようだから知らない人もいるはず。一瞬パニックになりかけたけれど……。友人、知人、おそらく楓が適当な言葉を見繕ってくれるだろうと思い直す。
メイホリックの社長はいかにもファッション業界の人といった雰囲気の中性的な男性だった。年は四十歳くらいだろうか。
長い髪をうしろでひとつに束ね、個性的なスーツをオシャレに着こなしている。
「あらぁ。来てくれたのね、楓くん。嬉しいわ」
雰囲気からなんとなく想像はついたが、いわゆるおねぇ言葉だ。
「こういう場は苦手なんですが、約束しましたので」
「ふふ。楓くんのそういう正直なとこ、私は好きよ」
そう言ったあとで、彼はめざとく志桜を見つけてその瞳を輝かせた。興味津々な眼差しから察するに、彼は楓と志桜の事情を知らない側のようだ。
「うちのドレスがよく似合う素敵なお嬢さんね。楓くんの……」
「恋人です」
あまりにもさらりと、平然とした顔で言うものだから、聞き流してしまうところだった。
(こ、恋人?)
「まぁ! いいわね~。じゃあ、私がプレゼントした部屋もお役に立てそうね」
彼は含みのある視線を志桜に送り、パチンとウインクをしてみせる。
「素敵な夜を」
メイホリックの社長はいかにもファッション業界の人といった雰囲気の中性的な男性だった。年は四十歳くらいだろうか。
長い髪をうしろでひとつに束ね、個性的なスーツをオシャレに着こなしている。
「あらぁ。来てくれたのね、楓くん。嬉しいわ」
雰囲気からなんとなく想像はついたが、いわゆるおねぇ言葉だ。
「こういう場は苦手なんですが、約束しましたので」
「ふふ。楓くんのそういう正直なとこ、私は好きよ」
そう言ったあとで、彼はめざとく志桜を見つけてその瞳を輝かせた。興味津々な眼差しから察するに、彼は楓と志桜の事情を知らない側のようだ。
「うちのドレスがよく似合う素敵なお嬢さんね。楓くんの……」
「恋人です」
あまりにもさらりと、平然とした顔で言うものだから、聞き流してしまうところだった。
(こ、恋人?)
「まぁ! いいわね~。じゃあ、私がプレゼントした部屋もお役に立てそうね」
彼は含みのある視線を志桜に送り、パチンとウインクをしてみせる。
「素敵な夜を」



