横領はれっきとした犯罪。KAMUROは刑事事件として彼を訴えることもできたが、領した金を全額弁済するのを条件に示談とした。
もちろん会社の不祥事を世間や株主に秘匿しておくのは許されないので、すべての事情を公表はしている。英輔は会社を追放、愛奈は自主退職の形をとった。
楓はふたりの罪に対して寛大すぎる措置だと思っているようだが、この方向性を望み、会社の役員たちや株主に働きかけたのは志桜だ。
神室本家のひとり娘である志桜の主張を、彼らは最大限に尊重してくれた。
「父ならどうするかな?と考えたんです。そうしたら答えは出ました。お父さんはきっと、あのふたりをどうこうするよりKAMUROを守るほうを優先するだろうなと」
「なるほど。早く混乱をおさめて、会社を立て直すことに注力する道を選んだわけか」
「はい。世間や社員たちに真実を伝えて、父の名誉を取り戻すという私の望みは叶いましたし」
今回の事件を受けて、父の生前の功績を特集したいと声をかけてくれたメディアなどもいたし、なにより父をあしざまに言っていた社員たちがすごく反省し、謝罪の気持ちを仕事で返すと約束してくれた。
「そうそう、私への陰口も謝りに来てくれた人がたくさんいました」
もちろん会社の不祥事を世間や株主に秘匿しておくのは許されないので、すべての事情を公表はしている。英輔は会社を追放、愛奈は自主退職の形をとった。
楓はふたりの罪に対して寛大すぎる措置だと思っているようだが、この方向性を望み、会社の役員たちや株主に働きかけたのは志桜だ。
神室本家のひとり娘である志桜の主張を、彼らは最大限に尊重してくれた。
「父ならどうするかな?と考えたんです。そうしたら答えは出ました。お父さんはきっと、あのふたりをどうこうするよりKAMUROを守るほうを優先するだろうなと」
「なるほど。早く混乱をおさめて、会社を立て直すことに注力する道を選んだわけか」
「はい。世間や社員たちに真実を伝えて、父の名誉を取り戻すという私の望みは叶いましたし」
今回の事件を受けて、父の生前の功績を特集したいと声をかけてくれたメディアなどもいたし、なにより父をあしざまに言っていた社員たちがすごく反省し、謝罪の気持ちを仕事で返すと約束してくれた。
「そうそう、私への陰口も謝りに来てくれた人がたくさんいました」



