にっこりとほころんだマカロンピンクの唇。その毒にあてられて、目まいを起こしそうだ。
「これが目的だったの? 愛奈は楓さんを愛してなどいないでしょう!」
思わずカッとなり、声を荒らげる。そんな自分とは対照的に、愛奈の瞳は凍りついたように冷ややかだ。
「だって、志桜が彼の妻になるのが許せないんだもの。水商売の愛人が産んだ鷹井一族の厄介者。出世の芽はないって聞いたから、縁談は志桜に押しつけたのに」
彼女の話によると、楓との縁談は志桜より先に現社長令嬢である愛奈の名前があがっていたそうだ。愛奈が拒否したから志桜にお鉢が回ってきた、そういうことらしい。
「あんなにビジュアルがよくて、立ちあげた会社も成功すると知っていたら私も断ったりしなかったわ」
自分勝手な理屈を並べて、愛奈はこう結論づけた。
「だから、あるべき姿に戻っただけよ。楓さんは最初から私のもの。ちょっと貸してあげていい夢見させてあげたんだから、志桜は私に感謝すべきよ」
(これが愛奈の本性……私は愛奈のなにを見て、友人だと思っていたんだろう?)
もう、わからなかった。
「私、あなたになにかした? どうしてそこまで私を憎むの?」
愛奈はフンと鼻で笑う。
「これが目的だったの? 愛奈は楓さんを愛してなどいないでしょう!」
思わずカッとなり、声を荒らげる。そんな自分とは対照的に、愛奈の瞳は凍りついたように冷ややかだ。
「だって、志桜が彼の妻になるのが許せないんだもの。水商売の愛人が産んだ鷹井一族の厄介者。出世の芽はないって聞いたから、縁談は志桜に押しつけたのに」
彼女の話によると、楓との縁談は志桜より先に現社長令嬢である愛奈の名前があがっていたそうだ。愛奈が拒否したから志桜にお鉢が回ってきた、そういうことらしい。
「あんなにビジュアルがよくて、立ちあげた会社も成功すると知っていたら私も断ったりしなかったわ」
自分勝手な理屈を並べて、愛奈はこう結論づけた。
「だから、あるべき姿に戻っただけよ。楓さんは最初から私のもの。ちょっと貸してあげていい夢見させてあげたんだから、志桜は私に感謝すべきよ」
(これが愛奈の本性……私は愛奈のなにを見て、友人だと思っていたんだろう?)
もう、わからなかった。
「私、あなたになにかした? どうしてそこまで私を憎むの?」
愛奈はフンと鼻で笑う。



