楓に仕事ぶりを認められたと思ったのだろう。愛奈は自信たっぷりに胸を張る。が、彼の話が専門的になっていくにつれ、答える彼女の声は小さくなっていった。
「えっと、それはですね~」
そもそも、今日の資料は志桜が作成したものだ。愛奈には自分の担当である広報に関わる部分を追加記載してもらっただけ。彼女に答えられない項目があるのは当然だろう。
「その辺りは企画部である私の仕事なので、私から説明させてください」
志桜はそう声をあげ、楓の疑問点を説明していく。
「ここの収支予測は昨年度の売上をベースにしています。その数字にこちらの係数をかけて……」
説明を終えると、楓と一緒に聞いていた雄大が納得したようにうなずいてくれた。
「素晴らしいですね! 確度の高そうな数字で安心しました」
「いえ、恐れ入ります」
志桜の言葉尻にかぶせるように楓が声を発した。
「萩田さん」
楓の眼差しがスッと志桜から隣の愛奈に移る。志桜が話している間中、彼女はどこか上の空な顔をしていた。
「今の話を聞くかぎり、彼女はデータ分析や収支予測などの細々した仕事も自分でしっかりとこなしているように思います。目立つ仕事だけ、のような発言は彼女の名誉を傷つけるし、なにより萩田さん自身の人格まで疑われかねないかと」
「えっと、それはですね~」
そもそも、今日の資料は志桜が作成したものだ。愛奈には自分の担当である広報に関わる部分を追加記載してもらっただけ。彼女に答えられない項目があるのは当然だろう。
「その辺りは企画部である私の仕事なので、私から説明させてください」
志桜はそう声をあげ、楓の疑問点を説明していく。
「ここの収支予測は昨年度の売上をベースにしています。その数字にこちらの係数をかけて……」
説明を終えると、楓と一緒に聞いていた雄大が納得したようにうなずいてくれた。
「素晴らしいですね! 確度の高そうな数字で安心しました」
「いえ、恐れ入ります」
志桜の言葉尻にかぶせるように楓が声を発した。
「萩田さん」
楓の眼差しがスッと志桜から隣の愛奈に移る。志桜が話している間中、彼女はどこか上の空な顔をしていた。
「今の話を聞くかぎり、彼女はデータ分析や収支予測などの細々した仕事も自分でしっかりとこなしているように思います。目立つ仕事だけ、のような発言は彼女の名誉を傷つけるし、なにより萩田さん自身の人格まで疑われかねないかと」



