「……もっと言い訳してください。そうしたら、許さない!って怒れるのに」
「許さないと、怒ってくれていい」
すっかり沈んだ彼の声音から反省の色が伝わってくる。
(やっぱり、楓さんはずるい!)
「君を騙すようなマネをして悪かったが、あの日、KAMUROに行ってよかったと心から思っている」
まるでひとり言のように、彼はぽつりと言葉を落とす。
「あそこで君と話をしていなかったら、俺はあっさり婚約破棄を受け入れて、君の手を放してしまっていただろうから」
真摯に響く声で彼は言う。
「そうしなくてよかった。結末がどうなったとしても、こうして君と過ごす時間を持てたことに感謝している」
楓の言葉はいつだって、よくも悪くもストレートだ。飾らず、偽らない。だから思いもよらぬ強さで志桜の胸を射貫くのだ。
空港内のレンタカーセンターで車をおりた彼に、志桜はおずおずとあるものを差し出す。
オレンジ色の小さな紙袋。中身は紅茶とドライフルーツだ。
「これは?」
「昨日、会社へのお土産を買うためにショッピングセンターに行ったんです」
一週間も滞在していて多少は街に慣れたので、昨日はひとりで電車を使ってショッピングに出かけた。
「あぁ、それは聞いているが」
「許さないと、怒ってくれていい」
すっかり沈んだ彼の声音から反省の色が伝わってくる。
(やっぱり、楓さんはずるい!)
「君を騙すようなマネをして悪かったが、あの日、KAMUROに行ってよかったと心から思っている」
まるでひとり言のように、彼はぽつりと言葉を落とす。
「あそこで君と話をしていなかったら、俺はあっさり婚約破棄を受け入れて、君の手を放してしまっていただろうから」
真摯に響く声で彼は言う。
「そうしなくてよかった。結末がどうなったとしても、こうして君と過ごす時間を持てたことに感謝している」
楓の言葉はいつだって、よくも悪くもストレートだ。飾らず、偽らない。だから思いもよらぬ強さで志桜の胸を射貫くのだ。
空港内のレンタカーセンターで車をおりた彼に、志桜はおずおずとあるものを差し出す。
オレンジ色の小さな紙袋。中身は紅茶とドライフルーツだ。
「これは?」
「昨日、会社へのお土産を買うためにショッピングセンターに行ったんです」
一週間も滞在していて多少は街に慣れたので、昨日はひとりで電車を使ってショッピングに出かけた。
「あぁ、それは聞いているが」



