「レイナね…そういえば、レイナってお姫様が昔いたんだよ」
「…そうなんですね」
「レイナ様は、とても素敵な人だったよ。昔はあたしも街の方に住んでいてね。レイナ様は時々、視察のために街に降りてきてあたしたち平民にも良くしてくれたよ」
リュナはそれを聞き、懐かしく感じた。
前世では、よく街にカリナと行っていた。
あの頃は楽しかったのに、と。
「でも、レイナ様の後ろについていた…カリナ様?は少し近寄りがたかったよ。笑顔なんだけど、なんだか雰囲気が暗くてね」
リュナはピンと来なかった。
レイナに対してはカリナはいつでも明るく姉を慕っている妹を最大限に演じていたからだ。
しかし、レイナが見ていないふとした瞬間のカリナの変化を街の人は見逃さなかったのだろう。



