「ごめん、ペン貸してくれん?」
よく聞き取れたなと自分を褒めてやりたいぐらい、
小さな囁きが隙間風のように流れてきた。
正直言って初日にペンを忘れる奴がどこに居るんだ?
どんな奴なんだ?と好奇心を抱いてしまう俺は仕方ないからペンを渡すついでに顔を確認してみると、
俺は生まれて初めて思ってしまう、
これがいわゆる目の保養なのかと。
いったい誰なんだ?
このイケメンは。
生まれてから18年と32日しか経っていないこの現時点で、
こんな生粋のイケメンを生で見れるなんて、
田舎育ちがバレてしまうではないか。
思わず口から「めっちゃイケメンやん」って使ったこともないエセ関西弁がでるこの恥ずかしさ。
こっちに越して来てから初めて人と喋る第一声が「めっちゃイケメンやん」だとは思いもしていなかった。
貸すはずだったペンをなかなか手離さず、
イケメン君は困惑していたはず。
整った顔立ちを下から上までまじまじと堪能するかのように見ているから、
イケメン君は恐らく俺のことを気持ち悪がったろう。
「いや、そういうお前こそ」
心の籠ってないイケメン君からの返答に、
やるせない気持ちでいっぱいだった。


