そんなことよりも親友の濱《はま》ちゃんから送られてきたショートメッセージの内容を見て、
俺は全てを察してしまった。
『帰れたか?彼女さんが心配だから行くってさ』
俺には一個歳上の彼女がいる。
俺にはホント勿体ないぐらい、
美人で優しくてスマートで、
大人の色気を兼ね揃えた女性。
そんな俺の彼女、
波瑠《はる》が俺の大事なプリンを食べるなんて、
浮気でもされたかぐらい心底辛かった。
信じたくはないが、
こればかりはもう言い逃れできやしない。
身に覚えのない口紅は彼女のであって、
ついさっきまでここでプリンを食べていたということになる。
俺のプリンを食べた犯人は俺の彼女の波瑠で間違いないだろう。
さっそく『俺のプリン食べたよね?』と波瑠にショートメッセージを送ってみた。
別に思われたって良いさ、
そんなプリン一個食べたぐらいでネチネチと小ちゃい男だねとか。
だけど、
漢には引くに引けない時だってある。(たぶん今じゃない)


