「で?誰が王子で、誰がシンデレラ役する?」
構成作家兼監督のマイマイは平らな帽子とサングラスを身につけ、
メガホンを持って俺らに問いかけた。
高校時代に演劇部だったのもあり、
慣れた手つきに圧倒される。
でも、
よく考えたらメガホンとか、
よく準備してたよな。
これ絶対に最初からレクリエーションでやる気だったよね?
俺は迷わず王子役に挙手した。
「はい。俺が王子様でシンデレラ役はなっちゃんでいこう。他は適当で!」
「え!何で私?」
「一番、シンデレラっぽいから。シンデレラ役は絶対になっちゃんだわ」
なっちゃんはシンデレラ役という重役を任されることに抵抗していた。
正直、
このメンバーの中だったら、
なっちゃんの顔が一番、お姫様として相応しい。
ただそれだけの選考理由なのだ。
「私には無理だよぉ、ヤギちゃん代わって」
なっちゃんはヤギちゃんに懇願して、
何としてでもシンデレラ役を代わってもらおうとしている。
ヤギちゃんも迷いなんて一切なく「いいよ」って引き受けるもんだから、
俺は急いで口を開いた。
「ダメダメダメダメ!!なっちゃんじゃないとダメだから。ね?構成作家兼監督さん」
シンデレラ役がヤギちゃんとかホント勘弁、
一番シンデレラ役をしたらいけないタイプ。
構成作家兼監督のマイマイは悩みに悩み抜いた結果、
下した決断を俺たちに告げた。


