「ヤギちゃんは何かしてたの?」
俺は一回りも大きな体つきをしたヤギちゃんに、
誰も得をしないような質問をしていた。
「えっ私?私は小さい頃から空手をしていたよ。自慢じゃないけど今では黒帯巻かせてもらってる」
「えっ!黒帯って一番凄いやつでしょ?めちゃくちゃ凄いじゃん」
イッチーが食いつき、
話を広げたことで、
B班は大盛況、
それに便乗した俺も「黒帯だから黒ヤギだね」なんて余計なことを言ってみると、
ヤギちゃんの前蹴りが俺の膝に容赦なく飛んで来た。
悶絶する俺に対して、
ヤギちゃんは笑顔で何事もなかったように心配してくる。
この女、絶対に狂人だ。
『黒帯のヤギ』という異名が随分しっくりとくるヤギちゃんは班の中で人気者へと昇格し、
俺はヤギちゃんに二度と余計なことを言わないようにしておこうと心に誓ったのであった。
ふと周りを見渡すと、
やけに他の班が静かな気がした。
仲の良い子と離れてしまい、
班の子とまだ打ち解けれてないせいか、
うちの班だけが騒がしく、
笑い声だけが目立っている。
それもそうか、
ゲラ女のマイマイが本領発揮で素性を曝け出し、
おばさん化したマイマイを誰も制御することができないでいた。
B班のメンバーや他の班の子達もマイマイの笑い方に笑いを堪えることができず、
伝染して次々と笑っていく。
薄っぺらいメンバー?
そんなの大嘘だ。
猫被ってたなんて知らなかっただけ。


