俺の口から出たあだ名にB班のみんなは目を点にし、
それ本気で言ってる?と言わんばかりの視線をこちらに向けてくる。
こう見えて結構自信作だったんだけど、
それに羊みたいな顔をしてるから羊にしたんだよって、
当の本人には言える訳ないし。
「名前が芽依《めい》だから羊の鳴き声みたいだね」なんて頭のキレること言ってみたりするも状況は変わらず、
もう駄目だ、
万事休すと思ったその時、
羊と名付けられた女の子は口をそっと開いた。
「だったらヤギの方が良いんだけどなぁ」
はい?
羊と名付けた俺もそうだが、
ヤギの方が良いと言う君の頭はもっとどうかしてる。
恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべる彼女の頭の中を俺は覗いてみたくなった。
きっと誰も知らない未知なるものが眠っているはずだ。
ヤギの方が良いと彼女が言うもんだから、
B班の全員が口を揃えて、
『ヤギちゃん』と呼ぶようになってしまった。
ま、
自分がそれで良いのなら結果オーライだけど。
薄っぺらかったB班全員のあだ名が決まり、6人と1匹の仲良しグループの誕生となった。


