「みづ姉、早く起きてよ!」
「ん?あぁ凛月か、おはよ」
みんなおはよ。
あたしは夜神聖月。
どこにでもいるただのJK。
…と言うわけではなく。
世界で一番強いJKですっ!
それで、怒り気味のこの子はあたしの双子の妹の凛月。
この子もなかなか強いんだよね。
あたしたちは今は引退してるけど、中学時代に“DARK MOON”っていうグループを作って、活動してたんだ。
別にみんなが想像してる感じで、バイクを乗り回してたりはしないよ?
悪い奴らを処分してただけ。
でも、それももうやめちゃった。
なんでかはまだ秘密だけどね。
「ねえみづ姉!もうりづ出るよ!?」
「えー待って凛月」
もー、ほんとせっかちなんだから。
不良時代、あたしは“死神”、凛月は“悪魔”っていう名前で活動してたんだ。
今でもちょっとした伝説だったりする。
『死神の瞳に睨まれたら、終わり』
なかなか恐れられてるね。
でも、ほんとはこーんなにかわいい女の子なのにね!ww
「みづー、まだ?りづが待ってるよ?」
「あ、瑠愛!すぐ行くからちょっと待ってて!!」
あの子はあたしたち双子の親友、羽崎瑠愛。
そっくりなあたしたち双子を見分けられる数少ない人だよ。
あ、本来の姿は全然違うからね?
あたしは、金髪に赤い眼。
凛月は、銀髪に青い眼。
だけど、流石に目立ちすぎるから学校とかで出歩く時はおんなじ茶髪のウィッグをかぶってカラコンを入れてるんだ。
その状態で、きちんと見分けがつくのは、瑠愛くらいかな。
瑠愛も前から一緒に活動してて、“閻魔”って呼ばれてた。
ハッキングが特に強くて、情報収集してくれてたんだ。
「お待たせっ、瑠愛」
「みづ姉、りづへの謝罪はー?」
「は?黙って」
「ねえるぅちゃーん!みづ姉がひどいよー」
「りづ。あんたらはいつもそうでしょ、お互い様よ」
そう言って苦笑する瑠愛。
不良をやっている時には見られなかった、ほのぼのした感じ。
やっぱり、不良なんかやめてよかった。



