「好き」があふれて止まらない!


三人がルーズリーフを一枚、一枚、手に取り見ている時間、わたしは緊張で息が止まりそうだった。

「俺は一番、二番、六番がいいと思う。奏人と千里は?」

わたしが書いてきた歌詞は全部で七曲分。

曲ごとに一から七の番号を振っている。

「俺は三番、五番、六番。千里は?」

「俺も六番が好きだな。あとは四番と七番」

三人の好みは六番以外、見事にバラバラだ。

「こんなに意見が分かれるとは思わなかったね。まぁ、それだけ比高さんの書いてきてくれた曲が素敵だってことなんだけど」

微笑みを浮かべる二階堂先輩と目が合って、胸がトクンと高鳴った。

「あ、ありがとうございます」

「本当に歌詞を書くのは初めてなの?」

「はい。歌詞は初めて書きました」

「歌詞は?」

二階堂先輩がルーズリーフを持ったまま首を傾げる。