俯きながら妖艶に微笑む。

この教室にもカメラはある。けれど、たぶん、録画機能は備わっていなくて、音声も大分古いカメラだからほとんど聞き取れない。

この教室ならできる。


『フューチャーリモートコントロール(未来遠隔操作)』


心で唱えて、想像する。


先生が間違った雨の人間報告書を提出する様子を。


決して私のことを書かれないように。

「ッ、、!?」

声にならない叫びをあげた先生。それはそうか。だってこの能力、使った相手の頭、結構痛くなるし。

フラ、と、おぼつかない足取りで歩く先生。

「ど、どうしました、?」

あたかも白々しい顔をして言う。私がやったことだけど。

「、、なんでもない。授業再開する」

おぉ。強いな、先生。