晴のうち、雨。

「おはようございます」

「あ、やっときた!おはよ」

、、、朝から近いな。

教室に入ると案の定右京が近寄ってきた。
席どこだっけ、、、。

千夜の隣に座り、カバンをのぞいて大袈裟に言う。

「あ!飲み物忘れた、、、」

財布を持ち、教室を足早に出る。
飲み物買いに行くだけだし、あの教室あまりいたくない。

廊下をすれ違う人の視線。ビシバシ体に刺さる。

どこにいても居心地悪いなぁ、、。

「監視カメラ多すぎるんだよ、、、」

自動販売機の前に立ち、監視カメラに拾われないくらいの声量で言った。

この学校は経済力的にもお金があるから、自動販売機がいくつか置いてある。

入学初日に配られたパンフレットには校内地図が載っている。この先困ることがないようにと、1時間くらい地図と向き合い暗記していたかいがあった。

えーと、、、。眠気覚ましにカフェイン入りのカフェラテでいいかな。
すると、後ろから話しかけられた。

「自動販売機?」

「ひぇっ!?」

ーピッ

「あっ、、」

耳元で聞こえた声に驚いて、間違えて隣のいちごミルクを押してしまった。

「なっ、、、!いちご、、、ミルク、、、?」

誰だよ!私のカフェラテを買うのを邪魔したやつ!間違えていちごミルク買っちゃったじゃん!

内心ブチギレそうになるのを抑えてキッと後ろを向くと。

ーーちゅっ

小さなリップ音が響いた。