晴のうち、雨。

「おはようございます」

愛想を振り撒きながら道を歩く。

私が歩くたびに周りの晴の人間たちがはけていく。高嶺の花にでもなった気分だ。


「あんな綺麗な人いたか?」

「噂の編入生?でも男受け狙ってるよね、、」

男子からの熱のこもった視線。
女子からの棘のある言葉。

全部聞こえてるってば。

「めんど、、」

誰にも聞こえないくらい小さな声で言った。

つけてきたネックレスを握りしめて言った。

「おねぇちゃん、見ててね。頑張るから」

大丈夫。私ならできる。

そう思い込むことにして教室へ足を踏み入れた。