話し終えた右京の目には涙が溜まっていた。

いや、、長かった。

まさかこんな過去があったとは思わなかったけど、長かった。

それほど辛い思いをしたということなのかな。

それより、最後の私に惹かれている自分がいたって何！？

それ本人に言っていいやつなの！？
思わず言いそうになってしまったが抑えた。

わ、私だってそんなひどい人じゃないし。

「右京くん。いや、右京。辛かったでしょう。泣きたい時は泣いていいんですよ」

私の言葉にじわりと涙が溢れ出る右京。

ふわり、と、右京を安心されるように撫でると、ぎゅっと抱きすくめられた。

肩に顔を埋められ、右京の涙で輪ができる。

ひんやりと冷たい。

私は大変な思いをしてきて誰にも甘えることができなかった右京の背中をただ安心させるようにポンポンと優しく撫で続けた。