「なんか用でも?」

いくら父親だとしても巫女の娘を危険な場所に我先にと出すのはおかしい。

それに、もう愛想がつきた。


昔からずっと言われてきた言葉。


【お前は私の言う通りにすればいい。そうすれば安全に生きていける】


どこがだ。

今、危険な場所に、バレたら殺されるような場所に出そうとしているのに。

なにが安全なの。私は道具ではない。

あるときから言う通りにするのをやめた。意味がないことに気づいたからだ。

「お、お前が失敗したら、、どうなるか分かってー、、!」

「言いたいのはそれだけですか。安全とか言って全て嘘なのに。そんなやつの言うことは信じる意味も聞く意味もない」

この場から逃げるように走って部屋に戻った。