「初めまして!翠嵐うららです」

完璧な笑顔。
気は抜かない。

いつボロが出るかも分からないんだから。

「新しくE組に入ります。よろしくお願いしますね」

手の先同士を合わせて首をかしげる。

まるで聖女のように。

「お前、分かってるのか?ここはE組だぞ」

不良そうな人が言った。
綺麗な金髪。耳にはピアスが開いている。

えっと、晴の人?なんだよね?

「えぇ、知っています」

それが?とでも言うように目を細めて笑う。

「お前も不良品か」

諦めたような声色。何があったのか、そんなの私が知る意味もないけど。

「気の毒だね」

不良っぽい人とは別の優しそうな人が言った。でも、見た目で判断してはいけない。

この担任を見て知ったはずだ。

よく考えて行動しろ。

「ふふっ、、。お気遣い痛み入ります。
ですがご安心を。私は決して諦めていないので」

挑発してるかのようにふっと鼻で笑った。