晴のうち、雨。

気づくともう外が真っ暗。

「時間たつの早いですね」

「さっきまで明るかったのにね」

顔を見合わせて笑った。
なんか、笑いが出てくる。

この人も人を安心させる力がある。
私はそれにまんまと嵌められてしまったわけだ。

それはそうか。だって私のやつは演技だし偽物が本物に勝てるわけないよね。

そう思うと苦笑してしまう。


「そろそろ帰りますか?」

「そうだね」

お会計をちゃちゃっと済ませようとレジに向かうと。

「これでお願いします」

えっ、、!?

千夜の持ってるカード。あれめっちゃ高いやつじゃなかった?

千夜ってお金持ち?でもなんで、、、、。


「俺さ、バイトしてたんだよ。一生余るくらいのお金稼げてさ」

「え、それ大丈夫なやつですか、、、?」

「あはは。そんなうららが思ってるほどやばいやつじゃないよ。芸能界。まぁ、やばいっちゃやばいけど」

やばいって言うのは多分、裏の事情とかだろうな。

というか、芸能界?千夜そんなところにいたの?

「、、、、、モデルやってたんだ。いろんなところからオファー受けるくらい売れたんだけど、正直俺からしたら面倒の何者でもなかったよね」