朝。なんでもない日。

龍宮寺|《りゅうぐうじ》うらら。今年で17。

カーテンからは光が差し込んでいる。

「今日も晴ですか・・・。ほんと、嫌な気分になります・・・」

この世界には晴と雨の人種が存在する。

晴の人間は笑顔が絶えなくみんなのヒーローのよう。

晴の性質を持つ人が生まれたときには、その一族で宴が行われるほどだ。

対して雨の人間は根暗で卑怯でまるで悪役。

たしかに私たち雨の人間は晴が嫌いだ。いや、苦手と言う方が合ってるのかもしれない。

晴の人間は根暗で卑怯だと言われている雨の人間をこの世界から消そうとしている。

理由はよくわからない。

雨の人間を殺すと、雨は降らなくなる。

だから雨乞いをして雨を降らせるのがこの私、雨の巫女である、龍宮寺うららの役目だ。