僕が目を開けると、旅館の宴会場ーーーではなく部屋にいた。僕だけでなく、静瑠たちもいる。ライラ様が説明してくれた。
「騒動がありましたからね。私の力で時を巻き戻しました。今は怪談会が始まる三十分前です。では、私はこれで。楽しい臨海学校を」
ライラ様が消える。遠くから「オブジェがない!」とオーナーの騒ぐ声が聞こえたが、僕は透たちから目が離せなかった。透たちは悪霊を見てしまった。僕たちが戦っている姿も見てしまった。
(透、綾、陽菜、晴輝……)
四人とも俯いている。何を言われるんだろう?怖くて手が震えてしまう。
「みんな、大丈夫だった?」
緊張でいっぱいになりながら訊ねる。声が震えてて情けないな。綾が顔を上げた。その目には涙がある。やっぱり、怖がってーーー。
「瑠依!!」
大きな声で叫び、綾が僕に抱き付いてきた。
「へっ?」
僕は固まる。綾は僕を「瑠依」って呼んだ?いつもだったら「瑠依くん」だったのに……。
「騒動がありましたからね。私の力で時を巻き戻しました。今は怪談会が始まる三十分前です。では、私はこれで。楽しい臨海学校を」
ライラ様が消える。遠くから「オブジェがない!」とオーナーの騒ぐ声が聞こえたが、僕は透たちから目が離せなかった。透たちは悪霊を見てしまった。僕たちが戦っている姿も見てしまった。
(透、綾、陽菜、晴輝……)
四人とも俯いている。何を言われるんだろう?怖くて手が震えてしまう。
「みんな、大丈夫だった?」
緊張でいっぱいになりながら訊ねる。声が震えてて情けないな。綾が顔を上げた。その目には涙がある。やっぱり、怖がってーーー。
「瑠依!!」
大きな声で叫び、綾が僕に抱き付いてきた。
「へっ?」
僕は固まる。綾は僕を「瑠依」って呼んだ?いつもだったら「瑠依くん」だったのに……。


