涙、滴り落ちるまで〜宝石の悲劇と再生〜

女性の産んだ子どもは、全員宝石を生み出す力を持っていた。

ある日、村にお金持ちの商人の一族がやって来た。女性の不思議な力の噂を聞いたのだ。一族は女性を無理やり連れ出した。泣き叫ぶ子どもたちと抵抗する男性を、一族は容赦なく斬り付けた。死んだ子どもの体は宝石に変化した。

女性は一族の屋敷に幽閉され、宝石を作らされ続けた。数年後、彼女は衰弱死した。その遺体も宝石へと変わった。

「ひでぇ……」

静瑠が拳を握り締める。僕の心にも怒りと悲しみがあった。ライラ様は目元を拭う。

「一族は宝石となった女性たちを持ち続けていました。しかし、悲しみと怒りに満ちた女性たちは悪霊となった。それを一族は封印し続けていたんです。でも最近、その封印が弱まって女性たちは助けを求めることができた」

僕の頭にピンとくるものがあった。

「もしかして、僕たちが泊まっている旅館のオーナーって、この一族の末裔ってことですか。あの宝石のオブジェは殺された女性と子どもたちで……」

ライラ様が頷く。そうなると、彼女たちを救える方法は一つしかない。