涙、滴り落ちるまで〜宝石の悲劇と再生〜

目の前がぼやけた。どうして僕はこんなにも悲しいんだろう?頰を涙が伝う。

「瑠依!!」

静瑠、紫乃、菫の叫ぶような声が耳に響く。透たちが悲鳴を上げているのも聞こえた。顔を上げる。目の前に、巨大な女性の悪霊がいた。全身ずぶ濡れで真っ青な肌をしている。悪霊は僕に向かって手を伸ばした。

「瑠依!!」

静瑠が僕に向かって走ってくる。でも、静瑠が来るよりも悪霊が僕に攻撃する方が早い。刀を振らなきゃ。でも、体が動かない。

(ただ、悲しい……)

僕の体に雨が落ちた。違う。雨じゃない。

「嘘だろ……」

菫たちが驚いてる。だって、悪霊が涙を流しているから……。

その時、ピカリと空が光った。僕たちは全員上を見上げる。そこにはライラ様が浮かんでいた。ライラ様は深刻そうな顔で悪霊に近付く。そして、その頰を優しく撫でた。

「ライラ様!この悪霊は一体……」

僕が話しかけると、ライラ様は憂いを帯びた目で僕たちを見た。そしてこう言う。

「今から過去に遡ります。そこに答えがあるのです」