「貴方だってリーゼを生贄花嫁なんかにしたくないでしょ?」
「当たり前じゃないか」
「もしあたしがカミル様と結婚したら貴方は大公国を継承できなくなって困ることになる。でもリーゼを生贄花嫁から救出して大公国に連れ戻せば、貴方も好きなリーゼと結婚して大公国を継承できる」
「それは無理だよ。なぜなら生贄花嫁のリーゼを連れ戻したら、怒ったカミル様にケンプテン大公国は容赦なく攻め込まれるから」
「それなら大丈夫よ。お母様がね、身代わりのブラックオパールの瞳の娘を見つけられるかもしれないの」
「なんだって!? それなら最初からリーゼじゃなくても!」
「駄目よ、まだ見つかってはいないんだから。生贄花嫁の儀式は来月。迷っている時間はないわ。どうする? あたしと一緒にカミル様のお城に行く?」
「……わかった、行くよ。リーゼには会いたいし心配だから」
「同盟成立ね。あたしはカミル様、貴方はリーゼを手に入れるためどんな手でも使いましょ」
「どんな手でもって?」
「そうね、たとえば妊娠とか」
「妊娠!?」
「そうすればリーゼはどうしたって生贄花嫁でいられなくなる。それともこのままリーゼが生贄花嫁になって死んでしまってもいいの?」
「それは……」
「大丈夫よ。リーゼも貴方のことが好きなんだから」
「まさか……」
「女はね、強引な男が好きなの。貴方はウルム王国の第三王子。あたしかリーゼと結婚してケンプテン大公国を継承できなければ、自国に戻る場所なんてもうないのよ」
「わかってるよ」
「じゃあお互い、がんばりましょ」
渋々ながらもフリッツは笑顔のイルメラと同盟成立の握手を交わし、カミルの城へ向かうことにした。
「当たり前じゃないか」
「もしあたしがカミル様と結婚したら貴方は大公国を継承できなくなって困ることになる。でもリーゼを生贄花嫁から救出して大公国に連れ戻せば、貴方も好きなリーゼと結婚して大公国を継承できる」
「それは無理だよ。なぜなら生贄花嫁のリーゼを連れ戻したら、怒ったカミル様にケンプテン大公国は容赦なく攻め込まれるから」
「それなら大丈夫よ。お母様がね、身代わりのブラックオパールの瞳の娘を見つけられるかもしれないの」
「なんだって!? それなら最初からリーゼじゃなくても!」
「駄目よ、まだ見つかってはいないんだから。生贄花嫁の儀式は来月。迷っている時間はないわ。どうする? あたしと一緒にカミル様のお城に行く?」
「……わかった、行くよ。リーゼには会いたいし心配だから」
「同盟成立ね。あたしはカミル様、貴方はリーゼを手に入れるためどんな手でも使いましょ」
「どんな手でもって?」
「そうね、たとえば妊娠とか」
「妊娠!?」
「そうすればリーゼはどうしたって生贄花嫁でいられなくなる。それともこのままリーゼが生贄花嫁になって死んでしまってもいいの?」
「それは……」
「大丈夫よ。リーゼも貴方のことが好きなんだから」
「まさか……」
「女はね、強引な男が好きなの。貴方はウルム王国の第三王子。あたしかリーゼと結婚してケンプテン大公国を継承できなければ、自国に戻る場所なんてもうないのよ」
「わかってるよ」
「じゃあお互い、がんばりましょ」
渋々ながらもフリッツは笑顔のイルメラと同盟成立の握手を交わし、カミルの城へ向かうことにした。


