ツンデレ当主の生贄花嫁になったら愛されすぎたので私は生贄になりたいんです!

カミルは真剣なのにその美しい青い瞳に見つめられると胸がときめいてしまう。やっぱりまだこんなにもカミルのことが好きだ。イルメラのものなのに会えるだけで嬉しいと思ってしまう。いけないことだとわかっているのに。

「わかりました……でも薬だけは完成させたいです」

「わかった。ドラゴンの片鱗は俺がそのうち手に入れるから。薬をくれ」

リーゼがカミルに薬の瓶を渡そうとした時、リーゼの左手の薬指に輝く指輪を見たカミルがリーゼの左手首を掴んだ。

「この指輪はなんだ?」

「……フリッツと婚約しました」

「何!? 話が違う」

「えっ?」

「いや。受け入れたのか?」

「……はい」

「フリッツが好きなのか?」

「……」

「どうなんだ?」

「カミル様がイルメラと婚約したからです」

「!」

「もう私はカミル様の生贄花嫁ではありません。離してください……」

リーゼはカミルに掴まれている左手首を振り払おうとしたが、カミルは放さないどころか右手首も強く掴み、リーゼを粗末なベッドの上に押し倒した。両手を掴まれたまま組み敷かれてしまい動くことができない。

「そうだ、お前はもう俺の生贄花嫁じゃない。だからもう、お前を抱いても構わない」

「人が来ます!」

「下でザシャが見張っているから、誰も来ない……」

カミルはリーゼの唇に唇を近づけた。顔を背けたがカミルの唇から逃れることはできなかった。本気で逃れようとしていなかったのかもしれない。嫌がる素振りをしながら自分でも自分がよくわからなかった。

一頻り口づけされたあと、カミルは唇をリーゼの首筋から胸元へ這わせていった。そしてドレスの胸元に手を掛けた時、すっとリーゼの上から離れた。

「ごめん、怖い思いをさせて……」

「いいえ……」