「おはよ、リンネ〜!」
「おはよ〜」


私の名前は、 リンネ。
この私立皇高等学校の2年生だ。

黒いウルフカットにそこそこの美形。そして目を引くのはこのマゼンダカラーの瞳。
どうして瞳がこんな色になってしまったのかは、私にもわからない。

そんな私の見た目に関して何かを言う様な人は居らず、仲の良い友達三人と普通に暮らせていた。


「え、てか今日の6時限目の英語、単語テストあったよね!?」
「うわぁぁ忘れてたッ!!!」
「神様 仏様 リンネ様ぁ!!!どうか私達に御慈悲を!!!」
「……帰りにヘブンイレブンのジャリジャリ君、奢りね」
「「「リンネッッッ!!!!(泣)」」」


私はそこそこ成績がいい方で、何時も友達に勉強を教えてくれと頼まれる。
付け焼き刃しても意味ないと思うんだけどなぁ…。


「リンネ!」


ガラッ、と教室の窓を開けて入って来た男。
明るい茶色の髪をセンターで分けていて、涼やかな目元が印象的なイケメン。
……私の彼氏、ユイトだ。


「お、リンネの愛しの彼氏くんじゃん」
「んも〜、茶化すの止めてよね」


友達に半ば強引にユイトの目の前へ連れて行かれる。「私達はこれで」とかにやにやしながら三人は去って行った。
勉強はどうしたんだよ。


「リンネ、おはよう」
「ユイト。おはよ」


私が返事をすると、ユイトは屈託のない笑みを浮かべた。ユイトのこういう所は、犬みたいで可愛い。身長は187cmと可愛くはないのだけれど。


「リンネは今日も世界一可愛いな。」
「何巫山戯た事言ってんの。」
「…リンネは?俺の事カッコいいって言ってくれないの?」
「………カッコいいよ」
「!!ぅ゙ 〜 リンネ〜ッ!!」


私がユイトはカッコいい、と呟けば、彼は直ぐ 笑顔になり、抱き着いてくる。


「ちょ、っ、止めてよ学校で!!」
「可愛い、本当に可愛い。大好きッ!!」
「ねえ、もお〜ッッ!!」


ユイトはこうやって人前だろうがなんだろうが抱き着いてくる。滅茶苦茶恥ずかしい。


「……リンネ。今日も一緒に帰ろうね?」
「何言ってるの、毎日一緒じゃん。当たり前でしょ?」
「うん…、そっか、そうだよね!」


…少し、様子が変だ。いつもなら、こんなこと言わないのに。

私は違和感を感じながらもユイトと話していた。