恐る恐る彼女の顔を見ると、目を見開いている。
「なんか楽しくて。まだ一緒にいたい。君の淹れるコーヒー飲んでみたいし。変なことはしないから」
本当に単純に一緒にいたいだけだった。
返事を待つ時間が長く感じる。
そして彼女が何か言おうと口を開こうとした時だった。
「月見ちゃん」
彼女の背後から呼ぶ声がした。
そこにはメイクも髪型も綺麗で淡いピンクの膝上ワンピースを着た、誰が見てもかわいいと思う女の子が立っていた。
彼女と同じ顔の。
「雪見!」
思わず掴んでいた彼女の腕をぱっと離す。
知らない人が見たらこの二人が双子の姉妹だとは気付かないだろう。
「こんな時間にどうしたの!?」
彼女が雪見ちゃんに駆け寄る。
「話したいことがあって。あ、もしかして彼氏さん?」
「違う違う。会社の先輩で……」
全力否定する彼女越しに雪見ちゃんと目が合った。
「柊哉先輩?」
「うん。久しぶりだね、雪見ちゃん」
雪見ちゃんに会うのは大阪に引っ越す前の中学生の時以来だ。
「先に部屋行ってるね」
俺たちに気を遣ってか、彼女はマンションの中へと入って行った。
「こんなところで柊哉先輩に会えるなんて。夢にも思ってなかった」
雪見ちゃんが潤んだ瞳で彼女たちより背の高い俺を見上げる。
双子だから顔の造形も体形も同じだけれど、外見と中身は似ても似つかない。
特に人との距離感。
雪見ちゃんはその取り方が自然で上手い。
彼女と一緒にいる時よりずっと近くに感じた。
「なんか楽しくて。まだ一緒にいたい。君の淹れるコーヒー飲んでみたいし。変なことはしないから」
本当に単純に一緒にいたいだけだった。
返事を待つ時間が長く感じる。
そして彼女が何か言おうと口を開こうとした時だった。
「月見ちゃん」
彼女の背後から呼ぶ声がした。
そこにはメイクも髪型も綺麗で淡いピンクの膝上ワンピースを着た、誰が見てもかわいいと思う女の子が立っていた。
彼女と同じ顔の。
「雪見!」
思わず掴んでいた彼女の腕をぱっと離す。
知らない人が見たらこの二人が双子の姉妹だとは気付かないだろう。
「こんな時間にどうしたの!?」
彼女が雪見ちゃんに駆け寄る。
「話したいことがあって。あ、もしかして彼氏さん?」
「違う違う。会社の先輩で……」
全力否定する彼女越しに雪見ちゃんと目が合った。
「柊哉先輩?」
「うん。久しぶりだね、雪見ちゃん」
雪見ちゃんに会うのは大阪に引っ越す前の中学生の時以来だ。
「先に部屋行ってるね」
俺たちに気を遣ってか、彼女はマンションの中へと入って行った。
「こんなところで柊哉先輩に会えるなんて。夢にも思ってなかった」
雪見ちゃんが潤んだ瞳で彼女たちより背の高い俺を見上げる。
双子だから顔の造形も体形も同じだけれど、外見と中身は似ても似つかない。
特に人との距離感。
雪見ちゃんはその取り方が自然で上手い。
彼女と一緒にいる時よりずっと近くに感じた。


