「僕も、いつもあなたを見ていたいと思ってたんです」 「え……?」 「あなたも……僕の絵を見てくれていたんですね」 わたしは言葉を失い、ただ小さく頷いた。 煌の指先が、そっとスマホのケースをなぞる。 「これ、僕にとってもお守りみたいですね」 そう言って笑うその顔が、やわらかく、そしてどこか切なかった。 (――ああ、もう隠せない) 胸の奥で、静かに何かがほどけていく。 ポスターの光が、 窓の外の夕日と重なって揺れていた。