「ハリ君。今はそれでいい。だが、ひとつだけ忘れないでほしい。真実を隠す事は出来ても、選択の責任からは……誰も逃げられはしない」
ライオネルの声音は穏やかだったが、そこに含まれる重みは揺るがない。心を見透かされたのかと思うほど真っ直ぐな視線に息を詰めるハリ。
「……心得て、おります」
「ならば良かった。……ああ、それともう一つ。これは命令ではなくお願いと言ったらいいのか。私も無理強いしたくはない。出来れば、という話なのだが」
王は椅子に深く腰を下ろし静かに続けた。
「スズラン嬢が身につけていた金細工の首輪飾りについて聞いてもいいかな?」
「はい」
「あれは、ルゥアンダ帝国の皇家が正式に認めた婚約を示す儀礼具。単なる装身具ではないことは私も承知しているよ──。容易に外す事の出来ない特殊な道具だという事もね」
「……」
視線を逸らさぬまま言葉を重ねるライオネル。
「番と定められた相手以外に想いを寄せる。あるいは、工具などで無理に外そうとすれば──忽ちに〝報い〟が発動する。そういう魔像術が刻まれている」
「陛下は、その見識を何処で…」
「以前……隣国に旧友がいた」
ライオネルの目が遠くを眺める。
「彼女は美しい金細工の首輪飾りを嵌めていた。だが番と定められた相手の、その手で強引に外された。命を代価にしてね。外した本人は、ただ一言──『そうする他にない』とだけ、言い残したよ」
ライオネルの声音は穏やかだったが、そこに含まれる重みは揺るがない。心を見透かされたのかと思うほど真っ直ぐな視線に息を詰めるハリ。
「……心得て、おります」
「ならば良かった。……ああ、それともう一つ。これは命令ではなくお願いと言ったらいいのか。私も無理強いしたくはない。出来れば、という話なのだが」
王は椅子に深く腰を下ろし静かに続けた。
「スズラン嬢が身につけていた金細工の首輪飾りについて聞いてもいいかな?」
「はい」
「あれは、ルゥアンダ帝国の皇家が正式に認めた婚約を示す儀礼具。単なる装身具ではないことは私も承知しているよ──。容易に外す事の出来ない特殊な道具だという事もね」
「……」
視線を逸らさぬまま言葉を重ねるライオネル。
「番と定められた相手以外に想いを寄せる。あるいは、工具などで無理に外そうとすれば──忽ちに〝報い〟が発動する。そういう魔像術が刻まれている」
「陛下は、その見識を何処で…」
「以前……隣国に旧友がいた」
ライオネルの目が遠くを眺める。
「彼女は美しい金細工の首輪飾りを嵌めていた。だが番と定められた相手の、その手で強引に外された。命を代価にしてね。外した本人は、ただ一言──『そうする他にない』とだけ、言い残したよ」



