ラインアーサはそっとスズランの額に自分の額を寄せる。そのまま目線を合わせて低く、静かに囁く。
「うん。そう話してくれたこと自体が、もう前に進んでいる証だ。大丈夫。君がその足で踏み出すなら……俺は、隣にいる。ずっと」
それは誓いを立てる口調ではなく、当たり前の事実としての言葉だ。しかし、その一言で十分だった。
腕の中で頷きながら小さく「ありがとう」と呟くスズラン。止まった筈の涙がまた溢れ出す。
その場に居合わせた者たちは暖かく、そしてある者は心から安堵した眼差しで二人を祝福した。
そんな様子を目の当たりしたセィシェル。スズランの決意を聞いて誇らしく思う反面、隣に立つのが自分ではないことへの悔しさ、寂しさを感じるも否定できずに納得するしか出来なかった。
彼女の幸せを心から願い、気持ちを押し殺さずに飲み込む。そして深く息を吐き、小さく微笑う。
「そっか。スズがそう言えるなら、もう心配しない。俺は……俺は、スズの〝兄貴〟だしな。困った時だけでいい、頼れよ。そのくらいの席は、空けとく」
「ありがとう、セィシェル……」
「そのかわり! スズの事泣かしたらただじゃあおかねぇからな!」
「承知した」
スズランとラインアーサに見据えられ、セィシェルは右手を首の後ろに回してぶっきらぼうに息を吐く。腕を組み直しながら、いつもの調子に戻そうと──それでも、声は何処か優しく。
「うん。そう話してくれたこと自体が、もう前に進んでいる証だ。大丈夫。君がその足で踏み出すなら……俺は、隣にいる。ずっと」
それは誓いを立てる口調ではなく、当たり前の事実としての言葉だ。しかし、その一言で十分だった。
腕の中で頷きながら小さく「ありがとう」と呟くスズラン。止まった筈の涙がまた溢れ出す。
その場に居合わせた者たちは暖かく、そしてある者は心から安堵した眼差しで二人を祝福した。
そんな様子を目の当たりしたセィシェル。スズランの決意を聞いて誇らしく思う反面、隣に立つのが自分ではないことへの悔しさ、寂しさを感じるも否定できずに納得するしか出来なかった。
彼女の幸せを心から願い、気持ちを押し殺さずに飲み込む。そして深く息を吐き、小さく微笑う。
「そっか。スズがそう言えるなら、もう心配しない。俺は……俺は、スズの〝兄貴〟だしな。困った時だけでいい、頼れよ。そのくらいの席は、空けとく」
「ありがとう、セィシェル……」
「そのかわり! スズの事泣かしたらただじゃあおかねぇからな!」
「承知した」
スズランとラインアーサに見据えられ、セィシェルは右手を首の後ろに回してぶっきらぼうに息を吐く。腕を組み直しながら、いつもの調子に戻そうと──それでも、声は何処か優しく。



